旅行の計画を立てているときはあんなにワクワクしていたはずなのに、いざ出発日が近づいてくると、なぜか急激に不安や憂鬱になりませんか?
「あんなに楽しみにしていたのに、今は不安しかない」 「準備が面倒で、すべて投げ出してやめたい」
実は私自身、旅行の前になると決まってこの「謎の憂鬱」に襲われます。楽しみなはずなのに、まるで大きな試験や仕事の締め切りが迫っているかのような重苦しい感覚。
今回は、そんな旅行前の「行きたくない病」を抱える私が、毎回どのようにその重荷やプレッシャーと付き合い、結局どうなっているのかについて書いてみたいと思います。もし同じように感じている方がいたら、「自分だけじゃないんだ」と安心してもらえたら嬉しいです。
旅行が近づくと急に「行きたくない」スイッチが入る私
数ヶ月前に予約したときは、ガイドブックを見ながら「あそこに行こう、これを食べよう」とワクワクしていました。でも、出発の1週間前、あるいは数日前になると、私の心は急変します。
「なんであんな遠いところに行く約束をしちゃったんだろう」 「家でゴロゴロしていたい」
そんなネガティブな感情が湧き上がってくるのです。これを「トラベルブルー」と呼ぶそうですが、私の場合はもっと切実で、泥のように重い感覚です。荷造りを始めなければいけないのに、スーツケースを見るだけでため息が出る。楽しいはずのイベントが、消化しなければならない「タスク」のように感じられてしまうのです。
楽しみなはずの予定が「重荷」や「プレッシャー」に変わる瞬間
なぜこんなに憂鬱になるのか、自分の心を観察してみると、いくつかの理由が絡み合っていることに気づきました。
一つは、「失敗できない」というプレッシャーです。 安くないお金と貴重な時間を使って行くのだから、絶対に楽しまなきゃいけない。体調を崩してはいけない。天気が悪かったらどうしよう。同行者に迷惑をかけたらどうしよう。そんな「〜すべき」という思いが、いつの間にか楽しみを義務に変え、心を重荷で押しつぶそうとしてくるのです。
もう一つは、単純に環境が変わることへの不安です。 私は決してアウトドア派ではなく、家が大好きです。初めて行く場所や慣れない場所での移動は疲れます。脳が「今の快適な日常を手放したくない!」と必死に抵抗しているのかもしれません。
本気で「やめたい」と思ってキャンセル規定を確認してしまう
出発の前日あたりが、憂鬱のピークです。 正直に言うと、私はほぼ毎回、旅行代理店やホテルの「キャンセル規定」を検索してしまいます。「今ならまだキャンセル料は20%で済むかな…」なんて本気で計算してしまうのです。
「明日、熱が出たりしないかな」 「台風が来て電車が止まったりしないかな」
そんなふうに、自分ではどうしようもない「行かなくて済む正当な理由」を探してしまうことさえあります。周りから見れば「せっかくの旅行なのに何言ってるの?」と思われるかもしれませんが、当の本人にとってはそれくらい切実なストレスなんですよね。
不安なまま出発しても現地に着くと意外となんとかなる
それでも、ドタキャンする勇気もなくて、当日の朝、重い体を引きずって家を出ます。 「ああ、もう引き返せない」と思いながら電車に乗り、飛行機に乗り…。
ところが不思議なことに、移動を始めてしばらく経つと、あんなに重かった心が少しずつ軽くなっていくのです。そして現地に着く頃には、嘘のように「来てよかった!」と思っている自分がいます。
心理学でいう「作業興奮」のようなものでしょうか。一度動き出してしまえば、脳が諦めて(?)旅モードに切り替わるようです。 「行きたくない」と泣きそうだった私が、現地の美味しいご飯を食べて「最高!」と笑っている。毎回このパターンなんです。「あんなに悩んでいた時間はなんだったんだろう」と拍子抜けするほどです。
期待値を下げて「ただ体を運ぶだけ」と考えると楽になる
何度もこの「憂鬱→出発→楽しい」を繰り返すうちに、私は自分なりの対策を見つけました。 それは、**「楽しみに行こうとしない」**ということです。
「楽しもう」とするからプレッシャーになります。「思い出を作ろう」とするから重荷になります。 だから、最近はこう思うようにしています。
「ただ体を新幹線に乗せるだけでいい」 「現地に着いたら、ホテルで寝ててもいい」 「疲れたらコンビニご飯でもいい」
旅行のハードルを地面スレスレまで下げて、「とりあえず行くだけ行って、ダメなら帰ってこよう」と開き直るのです。そうすると、不思議とフッと肩の力が抜けます。
私たちはもっと適当に旅行してもいいのかもしれません
もし今、この記事を読んでいるあなたが、旅行前の憂鬱で「やめたい」と苦しんでいるなら、私は全力で「わかります!」と伝えたいです。その気持ちは、あなたがおかしいわけでも、わがままなわけでもありません。
無理にテンションを上げる必要なんてないと思います。不安なまま、憂鬱な顔をしたまま、とりあえず家を出てみる。 私の経験上、9割以上の確率で「まあ、来てみたら案外悪くないな」という結果が待っています。
もしどうしても辛ければ、本当にやめたっていい。でも、もし迷っているなら、「期待値ゼロ」で出発してみるのも一つの手かもしれません。お互い、無理せず自分のペースで乗り切りましょうね。


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